おしらせ

着物とシミについて③

皆様 こんにちは

前回に引き続き、着物とシミについてのお話です。
今回は保管中に出てくる黄変やヤケ・スレについて書いてみたいと思います。

①着物の保管中に出てくる主な汚れ
「黄変」 ”おうへん”と呼びます。黄じみと言ったりすることもございます。
黄変とは着用時に付いていた主なシミの成分である水性(水に溶けるシミ)・油性(油に溶けるシミ)・たんぱく(血液や牛乳等の時間の経過とともに不溶性化するシミ)・色素(色の濃い食品やインクなどに含まれた色素のシミ)等のシミが保管している時間によって起こす変色のことです。
シミ抜きで対応するのではなく、染色補正や金銀加工の柄足しなどによって対応していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②黄変の対応について

a.染色補正
・一度黄変箇所の地色を抜いて(部分漂白等で対処します)、周りと同じ色になるように染料で補正します。
・紬や江戸小紋 また細かい柄の着物は地色を抜いてしまった後の柄・色修正が困難なため、作業自体が出来ない可能性もございます。
・汗ジミの場合も黄変してしまうと染色補正としての対応が必要となります。
・広範囲にわたる黄変はしみ抜きでは対応しきれないために、染替えの対応となる場合がございます。

b.柄足し
・胡粉等を使用して上から柄を足すことにより、生地に負担をかけることなく黄変を隠すことができます。
・黄変が出てしまった胡粉は、更に上から胡粉を塗ったり、染料を吹き付ける作業で黄変を目立たなくさせたりもします。
・黄変箇所だけの柄足しをすると柄のバランスが悪くなってしまうケースもあるので、シミや黄変がない場所にも柄足しをしてバランス良くすることもございます。

③汚れ以外に着物に発生する現象の特徴

a.ヤケ
・ヤケとは簡単に言えば地色の変色で、汚れ跡に残る汚れヤケや日光や照明による光ヤケ また、タンスの中で発生するガスヤケなどがございます。
・化学染料より天然染料の方がヤケは起こりやすいです。
・紫や青のように青味がある色は色ヤケが起こりやすいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

b.スレ
・スレとは生地に摩擦が加わることによって生じる繊維の毛羽立ちです。
・毛羽は繊維が切れている状態なので完全に直すという事は困難です。
・見る角度によっては直し跡がわかるものもございます。
・帯下部分や胸(脇部分)は着用の度に帯に当たるのでスレ直しはあまりお勧めしません。

c.箔の変色やはがれ、べたつき
・箔の変色は新たに上から箔を貼ることで修正は可能です。
・箔のはがれについては型が必要になる場合もございます。
・べたつきに関しては程度にもよりますが、完璧には直らないこともございます。
・お仕立て上がりのままでは直せない場合もございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

d.金コマ刺繍などのほつれ
・金コマ刺繍は留め直すこともできますが、基本的には全体を一度はずして付け直します。
・唐織の帯の糸出も軽度ならばお直し可能な場合もございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

e.虫食い 穴あき
・共色の糸を修正部分にわたして塞ぐ場合と、裏から生地をあてて塞ぐ場合がございます。
・いずれの直し方でも直し跡は出てしまいます。
・直し跡に柄を足すという場合もございますが、その場合は柄足し代が追加で発生いたします。

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