ストアアイコン

おしらせ

仕上げ加工について①(染色補正)

前回の金彩に引き続き、仕上げの加工について取り上げます。

今回は地直しについてです!

 

〇地直しについて

 

 

 

 

 

 

染色加工の工程中に生じた色汚れや油汚れ等の補正をする工程を「地直し」といいます。

「地直し」といいますと染色補正全般をいうものだと思っていたのですが、正しくは製造工程中に直す工程の事なんですね。

 

 

 

その染色補正を大きく分けると以下のようになります。

a. しみおとし作業:食べこぼしのしみや汚れを落とす作業です。

b. 帯の汚れ落とし:主に帯の油汚れを落とす作業です。

c. 紋洗い:留袖、喪服等の紋洗い作業です。
※紋洗い 紋部分を防染して染色した後、防染部分を美しく白くするために汚れを取り、染料のしみを抜染して上絵を描く準備工程のこととなります。

d. 地直し作業:染色途中の汚れを落とし、抜染した箇所は染料をはめ込んで直します。

e. 日やけ 展示やけ等の修正作業

という分類となります。

 

 

 

補正作業の基本的な工程は以下のようになります。

①検品
補正が出来るか判断します。古い着物等の場合、生地が脆化してしまい簡単に破れてしまう場合もあるので注意が必要となります。

②薬品の調合
シミにあった薬品を調合します。そのシミが水溶性のシミなのか?油性のシミなのか?不溶性のシミなのか? によって薬品も変わります。

③染抜き
染料に合った薬品で色抜きをします。

④薬品洗浄
生地に付着した薬品をベンジンや水を使用して洗い流します。専用のブラシや超音波洗浄機を使用したりします。

⑤乾燥
補正専用の電気ゴテ等で抜染箇所の乾燥をします。一度抜染しても乾燥したら色が戻ってくることもあるので乾燥させて確認をします。

⑥色合わせ
抜染したところに染料を入れるために色目を調合します。実際に補正するときの色合いを考えて調合する必要があるので、職人の技が必要となります。

⑦地直し
⑥で調合した色目で抜染部分を補正します。色の濃淡に注意が必要です。

⑧仕上
補正した部分をコテやアイロンで仕上します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回は地直しのついでにシミや補正について取り上げたいと思います。

 

 

パールトーンブランドサイト
PAGE TOP