おしらせ

2018/01/05

明けましておめでとうございます。

弊社は本日より営業となります。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり、誠にありがとうございました。
何卒、本年も昨年同様のご支援をよろしくお願い致します。

本年の繊研新聞掲載分、弊社社長 由本の年頭所感をアップさせていただきます。ご一読いただければ幸いです。

着物。この素晴らしい技術と文化を継承するために。
株式会社パールトーン 代表取締役社長 由本 敏次

新年、明けましておめでとうございます。
皆様にとって喜びの多い一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
古都・京都での風景にも、近年では海外からの観光客がますます増え、
着物を着て京都の町を散策する姿をいたるところで目にするようになりました。
伝統文化である和装が世界的に認知されることは、
とても素晴らしいことだと言えます。
同時に、自然の中で育まれた糸や染料で構成されていた着物には、
そうした一つひとつの歴史や匠技を知ることによって初めて気づく価値があります。
着物のほんとうの魅力を知ってもらうには、
そうした文化の背景も伝えていくことが必要です。
しかしながら、現在は生産者の高齢化や後継者育成といった数々の問題により、
ほんものの技術を継承することさえ困難になりつつあります。
だからこそパールトーンでは、取引先さまとの勉強会を開催し、
悉皆や染め工場の見学、汚れ落とし体験などさまざまな機会を通じて、
着物を支える伝統技術の素晴らしさを広く理解してもらう努力を続けています。
また、若い世代や海外の人に目を向けるばかりでなく、
たんすのなかに着物を仕舞い込んでいる方々が、
もういちど袖を通すためのお手伝いも大切だと考えています。
このため、着物クリニックを通じたメンテナンスや染め替えに力を入れ、
着物をもっと身近にするパールトーン加工とあわせて積極的に紹介しています。
世代や国境を越えて、いかに着物文化を継承し、普及させていくかが、
これまで同様にパールトーンの大きな使命だと認識しているのです。
もちろん「はじく」「まもる」ための撥水技術で新市場を開拓し、
世界に向けた新たな取り組みを具現化していくことも予定しています。
こうした取り組みで和装市場をさらに活性化していくためにも、
皆様からの変わらぬご協力やご助力を、よろしくお願い致します。
平成30年 元旦

2017/12/28

2017年の営業は終了いたしました

拝啓
2017年も残すところあとわずかになりました。
皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

本年は格別のご愛顧を賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます。

来年もより一層のご支援を賜りますよう、従業員一同心よりお願い申し上げます。

敬具

2017/12/25

年末年始営業のご案内

拝啓 
年の瀬も押し詰まり、ご多用のことと存じ上げます。
さて、誠に勝手ながら、弊社の年末年始の営業は、下記のとおりとさせていただきます。
皆様にはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご容赦願います。
今年一年ご愛顧を賜りまして大変感謝申し上げますと伴に、皆様のご多幸をお祈りいたします 。

敬 具


年内営業 12月28日(木)まで

年始営業 1月5日(金)9時~

2017/12/20

織の工程について

皆様 こんにちは
前回、糸までアップしましたが、糸のままでは生地になりませんので、今回織工程についてアップしてみたいと思います。

準備工程
織物は縦の方向に並んだ一組の糸(経糸)と、これに多くの場合直角に交差する一組の糸(緯糸)とからできている。この経糸と緯糸との組み合わせ方を織物の組成という。
織物は、この二組の組み合わせ方によって白生地などに製織されるわけであるが、その前に経糸と緯糸とを組成されるに都合の良い状態にする作業として製織の準備工程がある。
準備工程は二つに大別されて、
経糸の準備工程 ①下漬 ②糸繰 ③糊付 ④再繰 ⑤整経
緯糸の準備工程 ①選糸 ②下漬 ③糸繰 ④合糸 ⑤緯煮(キヌタキ) ⑥下管巻 ⑦撚糸 ⑧乾燥 ⑨上管巻
とがある。

1. 経糸の準備工程
・下漬(シタヅケ):生糸は最初に糸の捌きをよくし、繰返し易く、後の撚糸及び製織を容易にするため、糸繰にかける前に糸の下漬(ソーキング漬)がなされる。油系のものに漬け込むケースが多いようです。

・糸繰:糸繰とは糸を枷より枠に巻き取り、糊付、合糸を便利にする工程である。この作業が不完全な時は、糊付・合糸のとき糸がしばしば切れて作業が困難であるのみならず、製織能率を著しく下げることとなる。

・糊付:糸を枠に巻き取り、一本または数本を引き揃えて糊液の中を通して糊付けにする作業。

・再繰:糊付を済ませた糸を、再び小枠に繰り返す作業。

・製経:再繰しわ糸枠を所要の数だけ配列して、等しい張力で且つ同じ長さに揃えて整経機のドラムに巻き取り、これを何回も繰り返してドラムに巻き付けた糸数が織物の全布に要するだけの本数に達した後、さらにこれを千巻(ワープビーム)に巻き返す作業。

2. 緯糸の準備工程
・選糸:緯糸としての完全な撚糸を作るには、良好な糸を選ばなければならない。

・下漬:経糸の場合に準じて行うが、強撚をかける場合は多少油剤を多く、また加撚しやすい油を用いる。

・糸繰:糸繰とは枷になった糸を枠に巻き取り、次の工程を便利にする作業である。

・合糸:下漬けして小枠に糸繰りした糸を、さらに緯糸としての所要の太さにするため、何本かの糸に合わせる工程である。

・緯煮:緯煮は生糸にのみ行う工程で、その目的は生糸のセリシンを熱湯でやわらげ柔軟にして撚糸を容易にするとともに、加撚後糸を密着させ撚止めの効果をよくするためである。

・下管巻:緯煮した糸を木管またはエスロン製の管に巻いて、撚糸の準備をするための工程を言う。

・撚糸:緯糸の準備工程の中で最も重要な作業である。生糸はそのまま織物に織ることもあるが、多くは引き揃えて適当な太さ、強さとし、これに撚りをかけ、精練・染色・製織の工程を容易にして、且つ織物に所要の手触りと外見とを与える。このように糸に撚りを与えたものを撚糸といい、撚りとは並行している多数の繊維を一つに集めて捻ることである。また撚りには右撚と左撚があり、右撚は白またはS撚といい、左撚は
赤またはZ撚ともいう。撚数については、1メートルあたりの長さにおける撚糸回数で表示する。
撚糸機には八丁撚車と洋式撚糸機があり、八丁撚車は縮緬緯糸の撚糸機として最も理想的のものであって、錘は1分間八千回も回転し、一錘で左右二錘分の働きをする。洋式撚糸機にはイタリー式とリンダ式、フライヤー式等色々あるが、前二者が多く用いられる。
また撚の形態としては主なものに ①一本片撚糸 ②二本片撚糸 ③三本片撚糸 ④諸撚糸 ⑤片二本諸撚糸 ⑥三本諸撚糸 ⑦壁撚糸 ⑧スプリング撚 ⑨リング糸 ⑩ポーラー糸等がある。

・乾燥:糸の乾燥には自然乾燥と人工法による乾燥があり、熱風を循環させ、湿温空気を排出して乾燥する熱風乾燥機もある。これは糸の付着物の変質もなく、乾燥も早く、現在最も使用されている乾燥法である。

・上管巻:緯糸を上管に巻いて製織のできるようにする工程

製織工程
経糸と緯糸の準備工程が終わり、いよいよ手織機または力織機を使っての製織の段階に移る。
力織機で織物を織るには、ハンドルをかけさえすればいいというものではない。
まず、機械の摩擦する箇所に油差を行い、経糸・緯糸の検査を行ってから、抒打の状態を調整し、それから運転を開始しなければならない。
製織の前準備工程としては ①機上 ②綜絖通し ③筬通し ④織付 ⑤経継などがある。
織幅分に揃えた経糸を機台上に張って、これに緯糸を直交差させて織物を作る機械を織機、これを操作することを製織、昔ながらの言い方では機織(ハタオリ)と称する。人力で操作する手織機に対して、動力による力織機(織機ともいう)があり、いずれもその原理は同じで、古くから素材や織物の種類によって相応しい構造になっている。
織機を分類すると、素材別では絹人絹と綿及び毛、織幅別では小幅と広幅、緯糸の通し入れ方法によって様々な呼び名で分けられる。
絹織物は特に地風が重視されるので、絹用の織機は奥行きを深くした構造となっており、また製織もそれなりの装置を特色のある技法で操作されている。
織機ほど一つの原動力が細分化されて連動しているものは他に類型がないと言われ、互いに密接な時間関係を保って連動している。その運動は、主運動、副運動、補助運動に大別される。
主運動は織るための基本となるもので、開口(カイコウ)・緯入れ(ヨコイレ)・筬打ち(サオウチ 緯打ち)の3運動を指す。
副運動は主運動で織られるにしたがって、経糸を給糸する送り出し運動と、織られた分を巻き取って製織を続ける巻き取り運動を指す。
補助運動とは、主・副運動を補助して織機の動きを一層完全にさせるためのもので、全ての織機がその機能を備えているとは限らない。
手機によれば、経糸の打ち込みが定常的ではなくて、手加減が可能なために地合いを好みのままに生かして特色ある風合いを醸し出せる。また、金銀箔とか特殊な緯糸を自由自在に使えるのも手機の特徴である。大げさに言えば、手機は織り手の気に入るように織りなす つまり魂を打ち込んで織ることができる。
つまり綴錦の機装置や織り方が今日でも素朴で原始的なままであるのはクラフト的な手法によるしかないことに帰結する。織機の省力化、高速化が優先されて、全てが自動化されたとはいえ、手機ならではの存在価値を保っているわけがここである。

※画像は丹後ちりめん製造の柴田織物さんより使用させていただきました。縫取ちりめんの普及のため日々新しいことに挑戦されておられます。

関連項目
糸についていろいろ
http://www.pearltone.com/whatsnew/whatsnew.cgi?mode=detail&whatsnew_id=59

お蚕さんの繭が生糸になるまで
http://www.pearltone.com/whatsnew/whatsnew.cgi?mode=detail&whatsnew_id=56


2017/12/18

着物はっ水加工の歴史⑦(パールトーン加工)

もしもキモノに心があったなら

皆様 こんにちは パールトーンタイムスリップ第七弾は1985年です。

1985年(昭和60年)
1985年秋。1000万反もの着物が生み出されているにも拘らずタンスの中に消えていく現実を詩にして紹介しました。

昭和60年当時にはパールトーンの活動内容を紹介した「パールトーンニュース」という紙面を配布しておりました。
当時の絹の白生地の生産は約1082万反。オイルショック前の昭和47年~48年は約3000万反の生産量があったというから、当時にしてピーク時の3分の1になってしまったことになります。それでも1000万反もの着物が年間に生まれているわけですが、いったいその着物たちはどこへいってしまったのか・・・。
以前と比べると着物姿を街で見かけることが少なくなり、買った着物がタンスの肥やしになりつつある現状を見て先代は次のような詩を作り、当時の考えを主張しています。

「もしもキモノに心があったなら」

もしも、キモノに心があったなら

白生地として、この世に生まれてきて

きれいな柄に染めあげられた時にとても喜んだでしょう。

そして、沢山の仲間の中から選び出されて問屋さんから小売屋さんへと、

仕入れられた時にもやっぱり喜んだでしょう。

小売屋さんでは、ショーウィンドーに飾られ

見る人誰もから「きれいだネ」と褒められた時は

ちょっと気恥ずかしいながらも決して悪い気はしていなかったでしょう。

そして、いよいよお客さんに気に入られ、

買ってもらいキモノに仕立て上げられた時には

「あア これでやっと着てもらえる、この世に生まれてきた甲斐があった」と

最高に喜んだことでしょう。

しかしこの世はそんなに甘くないのか、

何かおかしいのか、一向に袖も通されないまま、

畳う紙に包まれてタンスの中に仕舞われっぱなし。

もしも、キモノに、心があったなら

これまでの喜びは何処へやら、夜な夜な悲しみの涙を流すでしょう。

キモノが流した涙は、やがてシミやカビになって出てくるのです。

皆さん、そんなにキモノを悲しませないでください。

せっかく着ようと思って買ったキモノでしょう。

もっともっと着てやって下さい。ヨロシク オネガイ イタシマス

2017/12/14

糸についていろいろ

皆様 こんにちは
糸も色々な種類があり、また、製造方法も色々ございます。私自身も単語として聞いたことは多々あるものの、その違いについてはあやふやだったりすることもございますので、今回は糸についてアップしたいと思います。

糸の性状
糸の種類はその分類の方法によって色々に区分される。繊維の長さによって分類すると、長繊維のものを引き揃えてつくった糸を長繊維糸といい、短繊維を平行に並べて撚りをかけて造った糸を紡績糸といって区分している。
糸の撚り合せによる分類では一本のままの糸のことを単糸といい、二本撚り合わせたものを双子(双糸)または諸糸(モロイト)という。双子の他に三本、四本またはそれ以上撚り合せたものもあるが、通常紡績糸の撚り合わせた糸を双子といい、長繊維の場合は諸糸といって区別をしている。
撚りの強甘による分類では強い撚りをかけた糸を強撚糸(キョウネンシ)、撚りの少ないものを甘撚糸(カンネンシ)といって区別をしている。
また、用途によっても分類され、代表的な区別は織物用と編物用糸であるが、これについては縫糸、刺繍糸、レース糸などにも分けられる。

・フィラメント糸(長繊維糸)
長繊維とは連続したきわめて長い繊維でフィラメントという。一本のフィラメントのものをモノフィラメントといい、フィラメントが多いものをマルチフィラメントと呼んでいる。天然繊維では絹糸だけがフィラメント糸であるが、化学繊維は紡糸する原形がフィラメントであるから、全てフィラメント糸ということができる。

・紡績糸(短繊維糸)
短繊維とは木綿や羊毛、麻のようなわた状の細かい繊維でステープルといい、このステープルをだんだん細くして、互いに繊維を絡み付かせて糸にしたものを短繊維糸という。

・原糸の製造方法
糸を作るには紡績、製糸、紡糸 の3通りに大別される。

紡績
比較的短い繊維を集めて、これを平行に配列し、引き伸ばして撚りを与えて繊維間相互の抱合力を大きくし、均一な糸を生産することである。
紡績は天然繊維の性状、用途にしたがって発達してきた。したがって、綿紡、毛紡(梳毛紡・紡毛紡)、絹紡、麻紡があり、さらにこれらを化学繊維に適するように改良した化学繊維紡績がある。しかしいずれの紡績でも方向がバラバラの繊維をくしけずって揃え、引き伸ばしながら撚りをかけていく方法は変わらない。

製糸
繭を解舒して、糸を繰とることでできた糸を生糸という。紡績とは異なり、数本の繊維を互いに密着させ、撚りの無い連続糸である。

紡糸
材料を化学的に処理をして、液状とし、これを細い穴から押し出し、凝固した連続糸を作ることでこの連続した長い糸をそのまま束ねて所定の太さにしたものをフィラメント糸という。この紡糸のときの条件により湿式紡糸、乾式紡糸などがある。

・糸の種類(絹糸を中心にして)
生糸
繭から取ったままの糸で表面にセリシンが付着している。

練り糸
生糸を精練したもので、セリシンがなく光沢がある。

玉糸
玉繭といって2匹の蚕が1つの繭を作ったものから取ったもので糸口が2つある。質は粗く、節も多い。銘仙の緯糸に用いる。

絹紡績糸
下等繭、くず繭、くず絹糸などを使って紡績したもので生糸より光沢が少なく、表面が毛羽立っている。最近では細い番手で生糸に劣らないものもある。

紬糸
真綿を手で紡いだ糸で、柔らかく太い糸で本場結城紬などに使用されている。
絹紡績紬糸といって、絹紡績糸を紡いだ残りの屑物から作った粗悪な糸もあるが、見分けにくい。

キビソ・ビス糸
副蚕糸の一種で、繰糸のとき、糸口を見つけるために繰りとった繊維。繰り残した薄皮繭から、さなぎを取り出して乾燥させた繊維。

混繊糸
2種類のフィラメント糸を混ぜ合わせ1本の糸にしたもので、アセテートとナイロン等収縮率の異なる繊維を混繊することが多い。

混紡糸
2種類以上違うステープルを混ぜ合わせて紡績糸にすること。

・原料による糸の分類とその性状

① 綿糸
綿糸には織糸の他にメリヤス糸、縫糸、カタン糸などがあるが、特殊仕上げを施したものには次のようなものがある。

ガス糸:ガス炎または電熱の中を通し毛羽を焼き切って表面を滑らかにした糸

シルケット糸:ガス糸を苛性ソーダ液で処理し、水洗いして絹のような光沢を出した糸

漂白糸:サラシ粉、カルキなどでさらしたものに青味づけをした糸

カタン糸:通常ミシン糸に用いるもので、仕上げにパラフィンを引き、断面を円形に近くした糸

縫糸:手縫糸のことで20番手のものが多い

しつけ糸:40番~60番手で比較的甘い撚り合わせの糸

② 特紡糸
綿・毛・麻・スフなどその種類を問わず、くずを原料として作った糸

③ ガラ紡糸
特紡糸よりさらに下等な落綿やボロからつくる非常にむらの多い糸

④ 麻糸
植物の茎・幹・葉 などから繊維を取り出したもので、亜麻糸・ラミー糸・黄麻糸・大麻糸などがある。

⑤ 毛糸
毛糸の種類は分け方によりいろいろな名称があるが、通常これらが乱雑に使用されている。
原料別の種類:緬羊毛・山羊毛・らくだ毛・アンゴラ毛・アルパカ毛・モヘヤ毛 など
紡績法による種類:梳毛糸と紡毛糸に区別される。

⑥ 絹糸
手縫糸:生糸に撚りをかけ(3~6本位)それを2本揃えて上撚をかけて、精練、染色した糸

ミシン糸:細い3本撚りで羽二重糸もミシン用の絹糸もある。太さは50番手

絹しつけ糸:ぞべ糸と呼ばれる白練の双子のこと

絹小町糸:絹紡の縫糸

⑦ 化学繊維系
化学繊維に分類される全ての糸

2017/12/11

TES西日本 繊維製品関連工場見学会に参加しました!

株式会社パールトーンでは、お客さまからお預かりした大切なご依頼品を完璧な状態でお戻しするために資格取得奨励制度を設け、社員一人一人のスキルアップを積極的に応援し、顧客満足最優先企業を目指しています。
そのような環境の中、HP管理人も実は㈳日本衣料管理協会の繊維製品品質管理士(TES)※の資格を取得しており、今回TES会西日本主催の第三回繊維製品関連工場見学会で大阪のカケンテストセンター様へお伺いしてきました。
カケン様は繊維製品を中心に各種物性等を計測・検査いただける一般社団法人様で官公庁納入や一般商取引における公正な第三者の立場に立つテスト機関です。

実はカケンさまの見学は今回が初めてではなく以前も見学させていただいたことがあったのですが、その時は生地の染色堅牢度や引き裂き強度等の基本物性の測定の見学が中心でした。今回は抗菌性や帯電防止等の特殊機能試験の見学ができるとのことでしたので参加しました。
和装関連の業界では素材への付加機能の状況はあまり変化がないのですが、アパレル等においては有名なものですとヒートテックの保温性素材やゴアテックスの透湿防水素材等のように様々な機能性素材が誕生してきている状況の下、新しい機能性の測定はどのようなものなのか興味がございました。
今回、講義と見学のセットで、講義は「付加する機能とその評価」というお題目にて二人世帯の被服にかける年間支出が25年で半減している状況下の元、機能性繊維素材は増加していますがその分機能の裏付けとなるバックデータを保有することも必要で、そのバックデータの部分をカケンさんが担っているという事でした。
例えば、ここのところ毛細管現象を利用した吸水速乾ゆかたがアイテム別の百貨店売上ランキングの上位にランクインしたりして、和装の分野でも吸水速乾性が入り込んできていますが、その機能性の確認は汗を吸う吸水性と吸った汗を拡散することで乾きやすくする速乾性をそれぞれ調べることで数値化し、判断をされておられました。
また、保温性を計測する試験では放熱量を測定する機器を開発され各種試料毎に放熱量の測定をされ、その放熱量から保温率を数値化されておられる状況を見学させていただきました。
今回ご見学させていただき、数年前にご見学させていただいた時とは計測機器も格段と進歩しているように思われ、機能性の測定も多種多様な新しい機能が誕生している状況下において表示根拠の測定において様々な工夫をされておられる様子が垣間見られました。

新市場系の商品の素材の機能判定でカケンさんにはお世話になることもあるのですが、実際新しい機能判定の現場をご見学できたことはとても勉強になりました。今後も繊維関連の情報収集や勉強もしていくことで皆様にフィードバックできればと思っております。


※繊維製品品質管理士とは
繊維製品品質管理士(Textiles Evaluation Specialist TES)は昭和56年度に通商産業省の告示に基づいて生まれたもので、消費者に供給される繊維製品の品質・性能の向上を図ったり、繊維製品の品質について消費者からクレームが出ないように、それらの製品の製造や販売を行う企業の中で活躍するスペシャリストです。その狙いは企業活動の合理化、消費者利益の保護、企業と消費者の信頼関係の改善にあります。

2017/12/05

着物はっ水加工の歴史⑥(パールトーン加工)

「不知不来」いいものをお知らせしないのは罪

皆様 こんにちは パールトーンタイムスリップ第六弾は1983年です。

1983年(昭和58年)
いいものは、大切な家族に伝えるようにメッセージを送る・・・ 先代社長は心がほのぼのとする数々のコピーを生み出しました。

着物業界の広告は商品の付加価値や価格訴求の内容に偏りがちとはいえないでしょうか。広告は消費者に対するメッセージであり、発信する側の心があってこそ胸にひびくものと感じます。
先代社長の國松は昭和38年からこの仕事をはじめ、創業社長はそれから7年後の昭和44年に亡くなりましたが、創業者が残したものを広く伝えるため、思い切ってテレビや雑誌などのマス媒体を通してパールトーンの活動をPRしてきました。もちろん周囲の反対はありましたが、先行投資は必要だと判断したからです。
昭和58年には女優の岩井友見さんと、平成元年には同じく女優の原日出子さんと専属契約しテレビコマーシャルや雑誌広告などを積極的に展開しました。
また、平成3年JR京都駅の新幹線ホームにパールトーンのサインボードで安心きものをアピールすることをはじめたり、大阪梅田駅や東京有楽町のハイビジョンでCMを放映したり、街角の広告にも積極的に取り組んできました。
しかし、マス媒体の経費は大きく、しかもその効果は具体的には見えてこないもの。それでも継続して実施してきたのは、先代の「いいものをお知らせしないのは罪」というベースがあるからです。
中国に「不知不来」(フチフライ)という言葉があります。これはいくらいいものがあっても「知らなければ来ない」という意味です。いくらパールトーンの加工技術が良くてもお知らせしなくてはお客様は決して来ることはないのです。
先代はパールトーンきもの保険「安心どすえ」「心配きものから安心きものへ」「心配きものはタンスの肥し、安心きものは街の華」などをはじめ、数々のコピーを生み出してきました。
手作り感覚のコピーはパールトーンらしいメッセージであり、大切な家族へ伝える気持ちで制作しています。そして、いいものをいつまでも新鮮な表現で継続して発信することが大切とパールトーンは考えています。

2017/11/27

お蚕さんの繭が生糸になるまで!

皆様 こんにちは
生糸っていうとお蚕さんがつくったもの っていう認識はございますが、実際お蚕さんの繭からどのようにして糸になるのかということは良く知らなかったりします。特に昔と違い国内養蚕自体の製造が激減している中では特によくわからなかったりします。そこで今回は表題のように生糸の性状と製糸工程についてアップしたいと思います。

・生糸の性状
絹は蚕の作った繭から取った繊維で、蚕には多くの種類があるので、絹の種類も多いが、大別すると家蚕(カサン)と野蚕(ヤサン)の二種になる。
数個の繭から糸口を引き出してほぐした糸を撚り合せて、一本の糸としたものを生糸という。しかし繭の表面を作る繊維は質が悪いので製糸の段階で良質な糸と区別する。この糸がのし糸、またはしけ糸と称しているものである。また繭の最内部の糸もキビソと称し、他のくず繭とともに紡績絹糸の材料として主に用いられる。
繭から引き出された生糸はそのままでは細すぎるので、数本または数十本を撚り合せ適当な太さにして利用される。また生糸は2本のフィブロインと呼ぶ絹の本質のまわりをセリシンと称するにかわ質でとりかこんでおり、セリシンは全体の約4分の1の量を占めている。
セリシンが付いたままの生糸は硬くて色も悪いが、生糸を石鹸または石鹸-アルカリ液で処理するとセリシンは溶解除去されて美しい絹となる。この工程を精練(セイレン)と呼んでいる。
生糸で精練して染色後製織したものを先染織物と呼び、生糸を製織したものを精練染織したものを後染織物と呼ぶ。また精練はセリシンを除くだけではなく。糸や織物上の不純物や糊分、汚れをも除去する。
屋内で飼育する家蚕に対し、野山に生育している蚕が作った繭から採取された絹で、これも種類が多いが、柞蚕絹(サクテンキ)と天蚕絹(テンサンキ)の2種に大別される。前者は茶褐色、後者は緑黄色を帯びている。いずれもこれらは家蚕絹の2倍の太さを持ち、光沢があり、強度も大であるが、やや粗硬で、鉱物性の不純物を多く含んでいたり、内部まで色素を含むので、漂白、染色が困難な欠点を有する。

生糸の性質は次のようなものである。
・光沢:精練された絹糸の光沢は真珠に例えられるように繊維中もっとも高尚優美でしかも温雅な光沢を有している。

・弾性:心地よい手触りと握りしめた時の良い反発力があり、弾性力に優れている。

・染色性:各種の染料に大きい親和性があってよく染色される。また、同時に汚れなども吸着されやすい。

・吸湿その他の性質:生糸は大気中の湿度に敏感に反応して吸湿、放湿を繰り返す。熱伝導性が小さくて保湿性に優れている。反面、保存中に黄褐色化を起こしやすく、長時間の日光でも脆化する傾向がある。

・製糸工程
蚕のつくった繭から生糸を繰り出す製糸工程に入るわけであるが、その前に次のような準備作業が行われる。

1. 繭集荷と乾繭(カンケン)
養蚕家の作った蚕繭を、製糸工程では生繭のままで買い取ることが多いのであるが、生糸は営繭したさなぎに繭を食い破られる前に解舒(カイジョ)して製糸しなければならない。生繭のままで放置しておくと、さなぎの皮膚が硬化し繭の表皮にシワが表れたり、カビが発生したりして製糸原料としての価値を失ってしまう。そこで繭質保存のため熱でさなぎを殺し、繭中の水分を蒸発させて乾燥させる「乾繭」(カンケン)の作業を行う。

2. 貯繭(チョケン)
乾燥させられた繭は光熱・空気・湿気など外界の影響による変質と、ネズミ・虫・カビなどの害を防いで繭質の保全を図るために貯蔵される。これを「貯繭」(チョケン)といい貯繭方法にはタンク詰法・冷蔵法などがある。生繭を冷凍保存したり、塩蔵することも行われている。

3. 合併と選繭(センケン)
「合併」とは生糸の荷口をまとめるため蚕品種産地上簇時期・産期・繊度などの一致した繭を混合する作業である。そうした後に不良繭を選り分ける作業である「選繭」(センケン)が行われる。これは生き物の蚕が作った繭であるので形の大小や繭層の厚い薄い等の点で差があり、繰糸に適当な繭、又は目標とする格の生糸に繰糸できるに達した繭を選ぶこととなる。
ここまで進むと、いよいよ製糸工程の本番に入るのであるが、工程としては「煮繭」(シャケン)「繰糸」「整理」の三つに分けられる。

1. 煮繭工程
90℃~100℃内外の熱湯中で約10分間煮繭し、繭層や繭糸に固着している適度に溶解軟和して、繭糸の解離を容易にする作業。この処理は繰糸能率、糸量、生糸品位などに与える影響が大きく、煮繭法としては蒸気煮繭法、基準式煮繭法、赤外線煮繭法などがある。

2. 繰糸工程
製糸作業中最も重要な工程であり、煮熟した繭の糸口を繰糸湯に入れ、数本の繭糸を合一して撚りかけて繰糸し、集緒器の小穴を通して抱合密着させて一本の生糸として枠に繰りとる作業である。繰糸器は古くは座繰機であったが、近年著しく進歩して高速自動繰糸機が登場、繰糸中の生糸の太さを自動的に感知する繊度感知機構を備え、索緒・繭補給・接緒、落繭・輸送・分離 及び関連作業が自動化されるようになってきている。

3. 整理工程
繰り枠に巻き取った生糸は、繰糸中にできた糸の歪みを除去すると同時に生糸を出荷、梱包しやすいように大枠に巻き返して枷(カセ)に仕上げ、更に枷20本を一括として文庫紙に包み、一俵が約60キログラムになるように荷造りを行う。こうして生糸は白生地産地へと運ばれていく。最後に原料繭の選別から外れた的外繭、不良繭についても殆ど捨てられることはなく、玉糸、紬糸、真綿、絹紡糸原料、肥料、薬品などとなって利用されている。

2017/11/20

着物はっ水加工の歴史⑤(パールトーン加工)

平安神宮時代祭衣裳、都おどり舞台衣装など、日本の伝統衣装にパールトーンが!

皆様 こんにちは パールトーンタイムスリップ第五弾は1962年です。

1962年(昭和37年)
絢爛豪華な時代絵巻 京都・時代祭の衣裳をはじめ日本の文化遺産にもパールトーンは活躍しています。

京都三大祭といえば、葵祭・祇園祭・時代祭。毎年秋に平安神宮で行われる時代祭は、平安時代の初めから明治に至る各時代の衣装や風俗を表現する華やかな行列が見ものです。目を見張るほどの美しさで、沿道は見物客で黒山の人だかりになります。
ところが困ったことに長距離の行列の為衣裳の傷みが激しく、雨でも降った場合には最悪の事態となります。実際、過去の葵祭ではお祭りの途中から雨が降り、その衣裳の色が落ちたりなど何百万もの損害を被ったという話もありました。また、これらの衣裳は普段平安神宮の蔵の中に眠っているのですが、その間にも湿気や虫など様々なトラブルに見舞われます。そこでパールトーンの出番となったわけです。
昭和37年、当時の平安神宮の宮司、小松照久さんから依頼を受けて時代祭の全ての衣裳に、また同年に京都では有名な都おどりの舞台衣裳にもパールトーン加工をしました。
すでに昭和16年徳川家のご宝物類に、昭和31年には柳川藩立花家秘蔵甲冑衣裳にパールトーン加工を施していましたが、この時代祭衣裳をきっかけにいろんな伝統衣裳のご依頼を受けるようになりました。
昭和38年には京都八坂神社神楽衣裳 昭和42年には京都御所の葵祭衣裳 昭和43年には横浜シルクセンター時代人形衣裳等々にパールトーン加工をしました。
その後も、篠田桃紅墨絵壁紙 人間国宝森口華弘作の綾傘鉾垂れ 東大寺仏布施台裂「水引」 広島三輪神社壁紙 浅草三社祭の役員衣裳 奈良シルクロード博の大綴織などなど・・・。
日本の伝統衣裳をはじめ、後世へ伝えたい日本を代表する数々の文化遺産にパールトーン加工をさせていただいております。
お祭りの時の急な雨降りや汚れから守ることはもちろん、保存の際にも効果を発揮するパールトーンは、きものだけでなく日本文化を伝えるという大きな役目を果たしていることに日本人として誇りを感じます。

※画像は昭和63年 奈良シルクロード博の際の大綴織となります。

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