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おしらせ

2018/03/07

織物の種類について②

皆様こんにちは 前回に引き続き今回はちりめん以外の絹織物をご紹介いたします。なかなか単語自体は知っていてもそのものずばりの説明はできなかったりしますので、いい勉強になります。

① 絹織物

1. 綸子(りんず)
朱子織で地紋が浮き出ているのが特徴で、なめらかな肌触りで、振袖・訪問着・長襦袢時などに用いる。平綸子・駒綸子などがある。

2. 羽二重
古くは帛(はく)と言われた。おさ羽一目の中に経糸を2本通して織ることからこの名があると言われている。種類は片羽二重・諸羽二重・綾羽二重・紋羽二重・塩瀬羽二重・輸出羽二重(広幅物)など軽めのものかと重めのものまで多種類ある。
※羽二重生地を作るには
おさ1羽に経糸2本引き揃えたものを2本引込とする。すなわちおさ羽に二重であることからこの名称がある。たてよこ無撚の生糸を用いた後錬織物の代表的な生地である。羽二重の緯糸は湿よこを用いて織るが、これは生糸を柔軟にして地合いを緊密にするためである。織り上り生地は手触りは粗硬であるが、精練すれば優雅な光沢と柔軟な風合いを持つ羽二重となる。羽二重の地合いを表すのに目付が用いられる。鯨1寸(3.8cm)巾で長さ6丈(22.7m)の重量を匁表示する。16匁以下を軽目羽二重、16匁以上を重目羽二重、中間のものを中目羽二重と呼んでいる。重目羽二重は着尺用として紋付地、着尺地、友禅地、帯地、肩裏など用途は広い。この平羽二重に組織変化した綾羽二重・朱子羽二重・紋羽二重などがある。

3. 羅・紗・絽
a. 羅
からみ織の複雑なもので夏の帯地などに多く使用される。
b. 紗
からみ織の一つで、撚りの強い糸で隙間をつくった織物。布面に隙間があり、通気性が良く肌触りがさらっとしている。先染め、後染め(白生地)両方に使われ夏の和服地として多く用いられる。生紗・紋紗・翠紗(すいしゃ)・二重紗・風通紗(ふうつうしゃ)などがある。
c. 絽
平織とからみ織を組み合わせたもので、経糸と緯糸をからめて絽目をつくる。この緯糸の数から三本絽・五本絽などの名がある。緯に絽目を入れたものを緯絽といい、経に絽目を入れたものを経絽という。平絽・駒絽・紋絽・絽ちりめん・絽綴(ろつづれ)などがある。
駒絽は経糸に駒より糸を、緯糸に駒より糸 または変り撚糸を使用した からみ織地である。三越駒絽は夏物着尺用に、七越平絽は男物紋付地などに用いられる。

4. 塩瀬
塩瀬は塩瀬羽二重の略で、経糸は密度を多くし、緯糸は太い糸を強く織り込んだ厚地の重目羽二重であり、地合い横うねがある。博多織と同様、たて曲がり構造の織物である。織上後精練・染色して羽織地・帛紗地として用いられる。

5. チェニー
チェニーは正式にはチェニー壁羽二重という。緯糸に壁糸を使い、普通の平羽二重よりややちりめん風に近い感じで織ったものである。無地と紋柄地があり、紋柄地のものを紋チェニーという。無地染または友禅染にしてコート裏地・羽織裏地に用いる。

6. 上代紬
上代紬はたて・よこに紬糸を使用した先練織物である。又、経糸に駒より糸の生のまま用いたものもあり、その用途も広い。

7. お召
お召ちりめんを略したもので、11代将軍家斉が好んでお召料(徳川家上納品)としたことからこの名がある。先練の織物で、布の表面に「しぼ」をあらわした高級絹織物である。縫取お召・紋お召・ウールお召・風通お召・絣お召・縞お召などがある。

8. 紬
真綿や屑まゆを指先で糸をつむぎ、手織機で織りあげたものであるが、現在は機械つむぎが主体である。
代表的なものに結城紬・大島紬・村山大島・黄八丈・白山紬・塩沢紬・信州紬など各地の伝統的なものが商品化されたもので種類・産地も多種多様である。又、玉糸・紡績絹糸を用いたものに銘仙がある。丈夫で安価なので実用的な生地だったが戦後は衣生活の変化やウール着尺地の進出におされ、現在では布団地・丹前地にわずかに用いられているにすぎない。

9. 帯地その他
中国・南蛮渡来の美術織物は金糸・銀糸・箔・刺繍などを用いた絢爛豪華な織物として、能装束・打掛などに用いられてきた。その技法は西陣を中心に帯地として現在も受け継がれており、錦織・金襴・緞子・唐織などがある。また、その技法をもとに考案されたものとして綴織・博多織などがあげられる。その他茶人・僧侶・武人の間で多く好まれた印金・間道(かんどう)・風通・朱印裂・有栖川裂などの名物裂も室町・安土桃山時代に南蛮船によって持ち込まれたものである。


次回は絹以外の織物についてアップします!

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