早春から春爛漫の頃、野山や街に花々が咲き揃い始めます。春の訪れを告げるタンポポ、れんげ草などの草花から花の代名詞ともいえる桜まで、優しい色のきものに映して季節をまといます。花のきものは花の時季よりひと足先に着ることが粋。そんな春の装いを求めて「京のきもの屋四君子」さんを訪ねました。

花といえば桜。桜の文様はわが国の代表的な意匠です。文学的には散りゆく花の美を描く場合が多いのですが、意匠的には桜爛漫の美を表現したものが多いようです。一重、八重など、様々の桜を配した桜づくし文。桜に秋の楓を組み合わせた桜楓文。中でも流水と桜花、筏を組み合わせた花筏文は優雅で華麗ですね。

梅につづいて桜が咲き、暖かさが増していく気候の中で、誰もがほんのりと優しい気持ちになる季節です。春を代表する色は、桜の花の薄いピンク、新緑の若菜の色や春の草花の美しい色です。きものの色も心を明るくするようなパステルが風景によくあい、着る人を引き立たせます。

きものや帯には、素材に、模様に、色づかいにと季節を遊ぶ要素が多いと同時に
まわりの人に季節を知らせ、季節の情感をしみじみと味わはさせてくれます。
きもの姿の女性は、季節の表現者。
生活の中に季節感が失われつつある現代だからこそ
季節を着る感性と心意気を大切にしてゆきたいと思います。

美しい花を映したきものは、その季節に先駆けて着るのが伝統的でお洒落な楽しみ方と言われますが、近年では、好きな柄を好きな時に着るという着こなしも認められています。そのようなコーディネイトは、帯の柄や色の助けを借りて、季節の幅を広げる着こなしをします。きものの色は、地味めで帯や小物が引き立ちやすいもの。花の柄は、多少抽象的なほうがいいでしょうね。いずれにしても南北に長い日本列島は、五月下旬までが桜の花の季節ですから、存分に楽しんで頂きたいと思います。

今回ご紹介しています「桜のきものとおび展」のきものや帯は
パールトーン加工を施した安心きものです。
雨や食べこぼしなど、きものの汚れを気にせず
安心してお召し頂けます。

歴史を感じさせる建物は明治4年の町家を改築。鉄鋼問屋の面影を残す大きな吹き抜けや、明かり採りの土間。アンティークきものも魅力のひとつです。掘り出しものと出会えるかもしれません。古都の新しい観光スポットとしてのぞいてみてはいかがでしょうか。

季節のきものと帯(1月)

季節のきものと帯(2月)

季節のきものと帯(3月)

季節のきものと帯(4月)

季節のきものと帯(5月)

季節のきものと帯(6月)

季節のきものと帯(7月)

季節のきものと帯(8月)

季節のきものと帯(9月)

季節のきものと帯(10月)

季節のきものと帯(11月)

季節のきものと帯(12月)